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キトサンと食欲~キチン・キトサン学術報告

キトサンの作用について、「キチン・キトサン協会誌」よりご紹介いたします。健康維持や栄養補給で、キトサン製品を飲用する際、その有用性については個人差があります。 また重篤な疾患のある方がキトサン製品を補助的に飲用する場合は、医師や医療機関と相談の上、ご使用ください。

キトサンと食欲
血糖が満腹中枢を刺激 / キトサン、やせのタイプを改善する可能性
【 要点 】キチン・キトサンを食べると、腸の中で一部が分解され、アセチルグルコサミンやグルコサミンになる。この分解産物が空腹中枢を刺激して、やせのタイプにみられる病態を改善する可能性がある。


愛媛大学医学部医化学第2教室 教授
医学博士 奥田 拓道 氏
血糖が満腹中枢を刺激

「おなかがすいた」「もうおなか一杯で何も食べられない」といった空腹感や満腹感は、いったいどんな仕組みで現れるのでしょうか。昔、痛風の患者に対して金療法が行なわれていました。

金療法というのはぶどう糖に金をつけた物質を患者に飲ませる治療法です。不思議なことに、この金療法を受けた患者は太っていくのですが、たまたま亡くなった患者の脳を調べて見ると、脳の視床下部といわれる場所の一部(腹内側核)の細胞群が破壊されていることが判ったのです。

アメリカ・ノースウエスタン大学解剖教室のランソンとヘザリントンという2人の教授が、30数頭のサルについて、視床下部の腹内側核と思われる場所を破壊してみました。

するとそのうちの1頭が肥満になったのです。普通、ある程度まで食べると満腹になり、食べることをやめるのですが、腹内側核を破壊すると満腹感が現れなくなるのです。

この様にして、腹内側核が満腹を感じるセンター(満腹中枢)であることが判りました。

満腹中枢が発見されてから10年後に空腹中枢が発見されました。アメリカ・エール大学の生理学教室で、ブローベックとアナンドという2人の研究者が、ネコの満腹中枢を破壊する実験をしました。

頭蓋骨に小さな穴をあけ、針状の電極を差し込んで、電流を通じて満腹中枢を焼く作業をしたのです。ところが本来なら太るはずのネコがガリガリにやせました。調べてみると満腹中枢から外側へ1ミリメートルだけずれた場所が破壊されていたのです。

そのためにネコがエサを食べなくなったことが判りました。破壊されていたのは、視床下部外側核と呼ばれている場所で、これが空腹を感じるセンタ一、つまり空腹中枢だったのです。

朝起きたらおなかが空いています。健康な状態です。朝ごはんを食べると、血糖の濃度が上がってきます。この血糖が満腹中枢を刺激する一方、空腹中枢の活動を抑えることで満腹になり、食べることをやめます。

増えた血糖は午前中の活動エネルギーとして使われますが、残りの大部分は脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。

昼近くになると、血糖が足りなくなります。そこで、脂肪細胞の脂肪を分解して、脂肪酸とグリセロールの形で血管に入り、エネルギーを多く含んだ脂肪酸は、血糖の代りに、筋肉などで使われることになります。

キトサン、やせのタイプを改善する可能性

一方、この脂肪酸は、空腹中枢を刺激し、満腹中枢の活動を抑えることで空腹になり、昼ごはんを食べたい気になるのです。昼食後は血糖が上がり、満腹になります。

このように血液中で増えたり減ったりする血糖や脂肪酸は、エネルギー源であるばかりでなく、食欲の中枢をコントロールする物質でもあるのです。

食欲をコントロールする仕組みとしては、これ以外にも様々なものがあります。入学試験に失敗したり、恋の痛手で、食事ものどを通らないといった経験は、多くの方がもっているはずです。物を考える場所である脳の前頭葉から、空腹中枢の働きを抑える神経が走っていることが知られています。

おいしそうな料理を見たり、匂いを嘆いだりすると食欲が出てきます。視覚や臭覚の中枢からも食欲の中枢へ神経連絡があります。

ところで、満腹中枢や空腹中枢は、食欲の中枢であるばかりではなく、自律神経の中枢でもあります。

自律神経には交感と副交感がありますが、満腹中枢は交感神経の中枢でもあり、空腹中枢は、副交感神経の中枢でもあります。実際に、満腹中枢に針をさし、電気を通じて刺激すると、食欲がなくなるばかりでなく、交感神経が刺激され、その末端からノルアドレナリンという物質が分泌されます。

ノルアドレナリンは、脂肪細肪にたまった脂肪を分解したり、血管を収縮し体を冷やしたりするホルモンです。やせて食欲がなく、肩凝り、腰痛、冷え症を訴える方は、満腹中枢が刺激された状態にあるのです。

一方、空腹中枢を刺激すると、食欲がでるばかりでなく、副交感神経が刺激され、血管の拡張や膵臓からインスリンの分泌が高まります。インスリンは、血糖を脂肪に変えて、脂肪細胞にためこむホルモンです。暑がりで、冷たいものを好み、太っている方は、空腹中枢が刺激状態にあります。

満腹中枢が刺激されたやせのタイプと空腹中枢が刺激された肥満タイプのうち、やせのタイプをキチン・キトサンは、改善する可能性があります。

キチン・キトサンを食べると、腸の中で、キチナーゼ、リゾチーム、キトサナーゼの作用をうけて、一部が分解され、アセチルグルコサミンやグルコサミンになります。

この分解産物が空腹中枢を刺激して、やせのタイプにみられる病態を改善します。



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