統合医療とキトサン
キチン・キトサン協会理事長
医学博士 松永 亮
医学博士 松永 亮
親鸞に造詣が深かった、私の父が亡くなる少し前、私に一冊の本をくれた。河合隼雄著、「宗教と科学の接点」であった。 「最近は医学者はやたら多いが、手当をしてくれる医者がおらんなあ。お前はそういう医師になるなよなぁ。」 そして、「むつかしゅうてよう解らんが、これからの医学のあり方がこの本に示してあるような気がする。」と言い添えてくれたのをよく憶えている。 デカル卜(1596~1 650) の唯物論的「二元論」の考え方が近代医学を支配して久しい。 現代の医学は人間の心と体を切り離して進歩してきた。医学及び医工学は20世紀に入って診断面でも治療面でも飛躍的な進歩を遂げた。 今や染色体レベルでの病気の診断・治療が世界のあちこちで行われている。 神をも畏れぬ、心を忘れ、人間を全体として診ない方法論が果して正しい医学のあり方であろうか。現代医学は今大きな転換期にあると言えよう。 「第一期の医学」とは病気の治療の為に医薬品や外科的手術などの特定の手段方法を用いて行ういわゆる現代医学である。 「第二期の医学」とは、「心身医学」と言われるもので人間の心を重視し、健康や疾病を「意識の力」で自ら癒そうという考え方で、自己催眠や自己暗示等の療法を言う。 「第三期の医学」とは心や体だけでなく自己の周囲に及ぶ「意識の力」を認めるもので宗教的カラーが強い。 ホリスティック医学はこれらを総合したもので、1960年代からU.S.A で東洋思想をとり入れて育っている。A. ワイル博士の手かざしによる、「浄電=未来のエネルギー医学」がその1例である。 宇宙の普通的エネルギーを取り次ぎ、人間の人類創生以来養いつづけてきた潜在力を活性化し、健康の維持増進、疾病の治療に役立つという。この方法で人間の免疫力が高揚することが医科学的に実証されている。 現代の医学は高価な代価の割には精神的、肉体的危険が多すぎる。自己暗示や、宗教的なエネルギー医学は体に悪い影響を及ぼさずにごく自然に健康を護り、病気を癒すという特徴を備えている。 キチン・キトサンによる健康法も自然治癒能力を高め、健康の維持増進に役立つことから、ホリスティック医学の一環として考えられる。 自分の健康は自分で護る時代である。個々に合った正しいライフ・スタイルを設け、現代医学を基盤とした、正確な健康状態の診断のもと、多彩に在る方法論を組合わせて、自分に合った健康維持・増進及び疾病の総合的な治療法を見いだすのが大切である。
企業とキトサン健康法
我が国の労働行政は世界でも有数の優れものと言われ、労働者の健康確保と快適な職場環境づくりに充分な指導的役割りを果たしています。
しかし、企業全体として労働者の高齢化が進み、不注意や反応の遅れから発生する災害や成人病に罹る率が多くなっています。
職業性疾病の発生状況は半減しているものの、重度の健康障害は依然として発生しつづけているのが現状です。
また、職場へのコンピュータ一等情報処理機器O.A. (オフィス・オートメーション)化など、作業の形や労働の質の変化から作業による疲労やストレスが今大変問題になっています。
これらの問題点を解決するために労働省は、継続かつ計画的な心とからだの健康づくり、つまりトータルヘルスプランやメンタルヘルスプラン等を提唱し、労働者が疲労やストレスを感じない快適な職場環境づくりを鋭意指導しています。
これらの対策を行政指導のもと、労働安全衛生コンサルタント、産業医、衛生管理者等を中核とした労働衛生管理体制を確立するとともに、各企業における自主的な労働安全衛生管理活動を実践していくのが大切です。
私も労働衛生コンサルタントとして、産業医として企業の環境管理、作業管理、健康管理に努力していますが、企業の何社かにキチン・キトサンによる健康法を導入し、労働者の健康の維持増進や職業性疾患等の健康障害の改善に大変役立っており、労働衛生上大変良い効果を認めています。
ある事業所は労働者とその家族が一丸となってキチン・キトサンによる健康法を利用し、健康向上に著効を認め企業の生産性向上は言うまでもなく、その家庭生活もより充実したものとなっています。
労働安全・衛生対策の基本は予防医学の思想にあります。キチン・キトサンはその生体調節作用故に、これらの目的実践の為に将に理にかなった手段と考え、多くの企業に、労働者の健康づくりの為に、その輪を広げてゆきたいと思っています。