キトサンと精力~キチン・キトサン学術報告
キトサンの作用について、「キチン・キトサン協会誌」よりご紹介いたします。健康維持や栄養補給で、キトサン製品を飲用する際、その有用性については個人差があります。 また重篤な疾患のある方がキトサン製品を補助的に飲用する場合は、医師や医療機関と相談の上、ご使用ください。
● キトサンと精力
動脈が拡張し、静脈が閉じる必要 / 副交感神経の刺激により、動脈が拡張 / 勃起不全や便秘、交感神経が関係 / キトサン、副交感神経中枢を興奮
【 要点 】勃起の為には、動脈が拡張し、血液を勢いよく海綿体に送り込む必要がある。キチン・キトサンの摂取により、副交感神経が興奮し動脈の拡張がもたらされる可能性がある。
動脈が拡張し、静脈が閉じる必要 / 副交感神経の刺激により、動脈が拡張 / 勃起不全や便秘、交感神経が関係 / キトサン、副交感神経中枢を興奮
【 要点 】勃起の為には、動脈が拡張し、血液を勢いよく海綿体に送り込む必要がある。キチン・キトサンの摂取により、副交感神経が興奮し動脈の拡張がもたらされる可能性がある。
愛媛大学医学部医化学第2教室 教授
医学博士 奥田 拓道 氏
医学博士 奥田 拓道 氏
動脈が拡張し、静脈が閉じる必要
キチン・キトサンを食べると、アチラの方が強くなったという声がよく聞かれます。性欲は、食欲と共に生きる意欲の源ですから、精力が強くなるのは、とてもすばらしいことです。生まれたての赤ちゃんは、母親の乳房から勢いよく乳を飲みます。まず食欲があるのです、思春期になると性欲が出現し、異性が気がかりになってきます。そして、死が近づくと、まず性欲がなくなり、次に食欲がなくなって死を迎えるのです。
性欲がなくなるのは、死に一歩近づいたことになるのです。性欲は、生きる意欲であり、いやらしく、不潔なものでは本来ないのです。しかし、年を取ってくると性欲はおとろえてきます。男性の場合、陰茎の勃起現象は、20~30才が最高で、50才以上になると減少してくるといわれています。
陰茎の海綿体と呼ばれる場所に血液がたまることによって勃起するのですが、陰茎には、血液を運び込む動脈と運び出す静脈があります。勃起する為には、動脈が拡張し、血液を勢いよく海綿体に送り込むと同時に、静脈が閉じる必要があります。
副交感神経の刺激により、動脈が拡張
静脈が閉じていなければ、せっかく海綿体に送り込まれた血液が、運び出されてしまい、勃起しないことになります、実は静脈がなぜ閉じるかが最近まで判らなかったのです。閉じるしくみは簡単なものでした。動脈を介して送り込まれた血液によって海綿体が膨張すると、静脈が圧迫され閉じてしまうのです。このようにみてくると、陰茎が勃起するのは、ひとえに動脈の拡張にあることがわかります。
動脈を拡張させるのは、副交感神経であり、収縮させるのは交感神経です。以前、キチン・キトサンを食べると腸の中で、キチナーゼ、リゾチーム、キトサナーゼの作用を受けて、一部が分解され、アセチルグルコサミンやグルコサミンになり、この分解産物が肝臓に分布する迷走神経を介して、空腹中枢と副交感神経の中枢を興奮させるという事実を紹介しました。
副交感神経の興奮は、動脈の拡張を引き起し、陰茎勃起に連なるのです。食欲の中枢には、空腹中枢と満腹中枢があり、空腹中枢と副交感神経の中枢が満腹中枢と交感神経の中枢がそれぞれ同居していることはすでに紹介しています。
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アセチルコリン
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NO 合成酵素の活性化
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NO の産性
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細動脈の拡張
こうしたことがよくあります。
勃起不全や便秘、交感神経が関係
汗は、交感神経の興奮によってかきます。つまり食事をして満腹状態のときには、交感神経が興奮しているので、陰茎の動脈が収縮し、勃起しにくい状態にあるのです。セックスは、食後より食前のほうが好ましいようです。年をとってくると、若い時のような性的興奮がみられなくなります。また家庭や仕事上のストレスが多くなり、副交感神経よりも交感神経が優性になりがちです。
勃起不全、発汗、便秘、肩こり、食欲不振などには、いずれも交感神経が関係しています。勃起不全の時に、びっしょり汗をかくことが多いのがこのことを示しています。
ただし、勃起不全でも射精をすることがあります。射精は、睾丸でつくられた精子が副睾丸にためられ、精管を通って、尿道に出る現象ですが、これは、交感神経で支配されています。勃起不全でも、射精現象が起きるわけです。年老いてくると、男性ばかりでなく女性にも性的退潮が現われます。
性行為の時に顔が紅潮する現象(セックスフラッシュ) は、20~30才を100%としますと、40才代で75% 、閉経後は12% 、その10年後には0%となります。また性行為中に出現する手足の痙れんや収縮は中高年になるとみられなくなるといわれています。
キトサン、副交感神経中枢を興奮
また閉経後10年位になると膣の委縮が起り、膣粘滑液の分泌が低下します。女性が性的に興奮した時にみられる膣分泌液は、膣壁にあるバルトリン腺という特別な装置から分泌されると考えられていました。しかし、それは誤りであり、膣壁に分布する毛細血管からしみ出た溶液であることがわかったのです。血液が毛細血管(動脈と静脈の間にある細い血管でその直径は赤血球のそれの半分程度)を通る過程でその壁をつきぬけてしみ出た液です。
この液は、細胞間質液ともいわれ、肩こりや成人糖尿病にも深いかかわりを持っています。女性が性的に興奮すると、男性の場合と同様に、副交感神経の作用で膣壁の動脈が拡張し、毛細血管を流れる血液量が増加することで膣粘滑液の分泌が高まるのです。
膣粘滑液の分泌増加は、性行為をスムーズに運ばせます。このようにみてくると、キチン・キトサンによる副交感神経中枢の興奮とそれに引き続く動脈の拡張は、性行為を行う男性ばかりでなく、女性にとっても好ましいことだと考えられるのです。