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キトサンと不定愁訴~キチン・キトサン学術報告

キトサンの作用について、「キチン・キトサン協会誌」よりご紹介いたします。健康維持や栄養補給で、キトサン製品を飲用する際、その有用性については個人差があります。 また重篤な疾患のある方がキトサン製品を補助的に飲用する場合は、医師や医療機関と相談の上、ご使用ください。

キトサンと不定愁訴
肩こりは筋肉のエネルギー不足 / ストレス状態、交感神経が興奮しノルアドレナリンが分泌 / キトサン、細動脈を拡張し不定愁訴を改善する可能性
【 要点 】ストレス等で血液の流れが悪くなり、筋肉がエネルギー不足の状態になると、筋肉が縮んだままの状態になり、肩こりになる。キチン・キトサンは、副交感神経を興奮させ、末梢循環を改善することで肩こりなどの不定愁訴を改善する可能性がある。


愛媛大学医学部医化学第2教室 教授
医学博士 奥田 拓道 氏
肩こりは筋肉のエネルギー不足

今回は、キチン・キトサンが肩こり、偏頭痛、冷え症などの不定愁訴を改善する可能性について考えてみたいと思います。キチン・キトサンを食べると、その30~40%は、野菜、玉子の白味、大腸菌に含まれるキチナーゼ、リゾチーム、キトサナーゼなどの酵素によって分解され、アセチルグルコサミンやグルコサミンとして腸管から吸収されるといわれています。

吸収され門脈を通って、肝臓に達した両物質は迷走神経を刺激し、その刺激が脳(視床下部)の空腹中枢へ行き、空腹感をもたらします。キチン・キトサンを食べると食欲が出てくるのは、このためです。

この空腹中枢は副交感神経の中枢であるともいわれています。一般に交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は逆に血管を拡張し、末梢循環を改善するといわれています。

アセチルグルコサミンやコサミンが空腹中枢を刺激することで血管を拡張し、末梢循環を改善することが不定愁訴の改善に連なる可能性があるのです。仕事が忙しく、寝不足が続いた時には、よく肩が凝ってきます。


この肩こりはどうして起るのでしょうか。肩が凝るとは、筋肉が収縮した状態です。筋肉は伸びたり縮んだりしています。縮む時には筋肉線維のまわりにある小胞体という袋からカルシウムが放出され、筋線維がスライディングを起して縮むのです。

この時エネルギーが使われますが、さらにエネルギーを必要とするのは、筋肉が伸びる時です。筋肉が伸びる時には、一旦放出されたカルシウムが再び袋の中に戻る必要があります。この時大量のエネルギーが使われるのです。(図1)

ストレス等で血液の流れが悪くなり、筋肉がエネルギー不足の状態になると、放出されたカルシウムが袋の中に戻れず、筋肉が縮んだままの状態になります。これが肩こりなのです。

ストレス状態、交感神経が興奮しノルアドレナリンが分泌

筋肉細胞など血管の外にある細胞は、血管の中でも一番細い血管である毛細血管から酸素や血糖を供給されています。酸素や血糖を受け取った細胞は、血糖を分解し、炭酸ガスと水にします。

この過程で血糖の持っているエネルギー(太陽エネルギー)が放出され、筋肉細胞などで利用されるのです。炭酸ガスや水は毛細血管に取り込まれ、炭酸ガスは肺から呼気として、水は腎臓から尿として体外に排出されます。

この毛細血管には、平滑筋細胞を含む中膜がないので自ら伸びたり縮んだりすることはできません。細動脈から送り込まれた血液が多ければ伸び、少なければ縮むというように受動的に伸び縮みするだけです。

従って、毛細血管を流れる血液量は、細動脈によって調節されていることになります(図2)。仕事が忙しく、寝不足が続くストレスの状態になると細動脈に分布している交感神経が興奮し、その末端からノルアドレナリンが分泌されます。


キトサン、細動脈を拡張し不定愁訴を改善する可能性

このノルアドレナリンが細動脈にある平滑筋を収縮させ、血液の流れを少なくします。細動脈が縮むと、その先に連なる毛細血管に流れる血液も少なくなってきます。こうなると、毛細血管から筋肉細胞へ供給される酸素や血糖の量も少なくなってきます。

つまり細胞は兵糧攻めにあうのです。さらに細胞がつくり出す炭酸ガスや水も毛細血管を通じて運び去ることができず、細胞を取り囲む液(細胞間質液)にたまってきます。炭酸ガスが細胞間質液にたまると、その液のPH (酸性、アルカリ性のめやす)が7.44以下になり、いわゆる酸性体質になります。

酸性体質になると、筋肉細胞への血糖の取り込みを促進するインスリンの働きが低下してくるのです。筋肉細胞の細胞膜にあるグルコース運搬体の数をふやして血糖の細胞内への取り込みを促進するインスリンの作用は、細胞外のPHが7.4細胞内のそれが6.8のときに最高に発現します。

ところが細胞外(細胞間質液)のPHが7.4以下になり、細胞内外のPHの差が少なくなると、インスリンは働けなくなるのです。つまり細動脈が収縮し、毛細血管を流れる血液が少なくなると、酸素や血糖の筋肉細胞への供給が低下するばかりでなく、インスリンによる細胞への血糖の取り込みも阻害され、筋肉細胞内のエネルギ一生成が低下し、肩こりが持続するというわけです。

キチン・キトサンは、副交感神経の中枢を興奮させ、細動脈を拡張し、末梢循環を改善することで肩こりなどの不定愁訴を改善する可能性をもっているのです。


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