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キトサンと漢方~キトサン学術報告

キトサンの作用について、「キチン・キトサン協会誌」よりご紹介いたします。健康維持や栄養補給で、キトサン製品を飲用する際、その有用性については個人差があります。 また重篤な疾患のある方がキトサン製品を補助的に飲用する場合は、医師や医療機関と相談の上、ご使用ください。

キトサンと漢方
漢方の処方、既に5千年位前から / 漢方の組み合わせ、巌然と決まっている / キトサンと網膜色素変性症 / 網膜黄斑部変性症、自らがキトサンで体験 / 漢方よりキトサンのほうが役に立った / 緑内障は非常に難しい病気 
【 要点 】年を取るに従い、網膜黄斑部変性症が生じやすくなるが、キチン・キトサンは非常に良い効果を発揮してくれた。


藤平眼科・藤平漢方研究所 院長
医学博士 藤平 健 氏
漢方の処方、既に5千年位前から

私はキトサンはかなり前から使ってはいるのですが、使用例が少ないせいでしょうか、あまり目に見えた例は多くないものですから、ここに出てしゃべれという事を頼まれました時には、強くお断りしましたが、ついに負けまして、まかり出ました。

そんなわけであまりお役に立てる話は、皆さんにできるとは思いませんが、私自身の服用した経過も含めまして、いくらかでもお役に立ちたいと思います。私は学生時代の1年の夏休み迄は、漢方というものを非常に疎かにしておりました。

しかし、その後たいへん素晴らしい治療効果のある医学であるとわかりました。疎かにできない医学だなと痛切に知りまして、それ以来、漢方の研究に没頭しまして、現在に至っています。

教室を出まして、今、開業しておりますが、うちではむろん漢方と眼科その他、現代医学の治療もいくらかは使っておりますが、だいたい主流は漢方の治療であります。

漢方の処方は既に5千年位前から始まっております。活字が出来たのが1900年くらい前ですので傷寒論等によってであります。それに基づいて十分に研究をして使えば、極めて顕著な治療効果が上がる訳であります。

漢方の立場からキチン・キトサンの効き方を考えてみますと、そんなにはやたらと効かないのだという事が当然だと思います。なぜか?それはまだ経験が十分でないからですね。

漢方の診察の仕方というのは患者さんの外観(顔色がいいか悪いかなど)望診(ぼうしん)といいますが、それで、外観を見て、それから聞診・問・切と言いまして「ぶん」は聞くという字です。嗅覚で嘆いでいろいろな情報を得るのが聞診なんですね。

中国の人達は「聞」 (むん)という字は「匂い」のことを意味するのが第一義で、「聞く」ほうは第二義だと聞いております。ですから聞診(むんしん)というのは聞いて医学的な情報を得、嗅いで医学的な情報を得るという二つの診断法です。

漢方の組み合わせ、巌然と決まっている

次は、望(ぼう) ・聞(ぶん) ・問(もん)の問診(もんしん)ですね。これは患者さんに過去の状態それから家庭の状態、それから現在の病気に至った状態を問い正していろいろな情報を得るのが問診です。

問、切の「せつ」という字は「切る」という字です。これは「うかがう」という意味です。ですから身体に接触しているかという意味です。

脈を診て、おなかを押さえたり、なでたりその他の圧診で、脈、腹力(ふくりょく)はどうかなど、腹部における圧痛点(あっつうてん)はどうかとかいうことの情報を得まして、患者さんの感じる自覚症状と検者が、脈、腹、顔などから感じる情報(他覚症状といいますが)を合わせた自他覚症状を十分に検討しまして、その組み合わせによって処方が決まるというのが漢方の診察の仕方です。

漢方の処方は非常に長い時間を経てでき上がった処方ですから、今、私たちが勝手に改めることはできないのです。

それ以上の良い処方はないというくらい練りに練ってできております。今の医学の処方は医者が患者さんをみて「おなかがあまり空かないから、食欲増進剤をあげよう」とか「咳が出るから咳止めをあげよう」と科学診察する医者が作り上げる処方です。

これはそんなに重大な権威はないのです。ところが漢方の処方は何百年間も人体実験を経まして、これ以上の「処方薬による組み合わせはない」とか「そのグラム数はどれくらいがいいか」と実に厳密に仕上げられていますので、これ以上のものはございません。

キチン・キトサンは、非常に日が浅くて、やりたくてもやり切っていませんね。20~30年ではなく漢方は200~300年という処方の経験を積んでいる訳です。そしてぼう・ぶん・もん・せつということで以て、情報がある場合にも何を目標に処方をしたらいいかということも分かっておりません。

ですから当然手探りに近い状態で投与する以外にないのです。私も患者さんに使っておりますが、まだまだキチン・キトサンが効くべき脈、または自覚症状、他覚症状はどういうものであろうかという組み合わせが分かりません。漢方の組み合わせというのは巌然として決まっていますから、これができないのです。非常に厳しい厳密な医学であります。

キトサンと網膜色素変性症

ですから将来きっとまちがいなくキトサンもそういうふうになります。今は科学もかなり発達していますから、漢方の処方ができた位の時間はかからないかもしれませんが、それにしてもまだ数年は当然かからなければなりません。

それまでは各関係者は一生懸命に苦労してそれに向かって、キチン・キトサンはどういう脈・舌・歯・自覚症状に確実に間違いなく効くかということを、将来はきっと発見されます。暗中模索でやる以外にありません。

しかし暗中模索でもキチン・キトサンが非常に効く場合があります。「漢方医薬新聞」 (第85号参照)に書かれていましたが、鹿児島市の43才の女性が網膜色素変性症という今もって現代医学では治療法が無いと言われる、非常に困った、しかも多い病気にかかりました。小さい頃からだんだん見えなくなって来て、ついには失明、たいていは生きている間に失明します。

何を飲ませようが、いまのところは世界的にまったく治療法は発見されていません。それがキチン・キトサンをそんなに大量にはあの新聞では与えられて無いと出ていましたが、それをたった4~5ヵ月で、視力が0.01位しか無くほとんど見えないに近かったものが日に日に上り、また聴力もまったく無かったのですが、ある日突然花火の音を聞いてそれ以来聴力が正常近くまでになったというのです。あの新聞にその記事がでていましたから、僕はいや~これはえらいことだと思いました。

網膜色素変性症という病気は漢方では治るとは言いませんが、私が拝見した日にしっかり見て、その処方が間違っていなければ、飲み始めた日から進行が止ります。そしてそれが一生続きます。一生といってもずっと薬を飲んでいる訳ではありませんから、だいたい8~9年で止ているようですが、それ以後は再発しないという訳です。

患者さんとしてはいずれは失明しなければならないという事で、日々、はらはら過ごしていた人達が、これで安心して生きていけるというので、非常に喜びを感じているようです。これまでそのために視力を失った人は一人しかおりません。もう千人以上どころかもっと診ていますが、日本全国各地から来ている患者さんの中で、目が見えなくなった人はただ一人だけです。

網膜黄斑部変性症、自らがキトサンで体験

ところで私自身がキチン・キトサンを飲んで非常な幸いを得たと言う話からしたいと思います。網膜というのは目の玉の裏に張り巡らされている、蜂の巣状の一枚の膜です。それは約2億の光を感じる視細胞で出来ています。

一つ一つの視細胞から繊維、つまり電話線がでていて、それが目の奥の中心部でつながって脳の方に入って行きます。脳の後ろでそれらが処理されて、今どういう物が見えているかということを判定しています。その一番中心部は、物をはっきりと確認する細胞がそろっている所です。それは黄斑部と言います。

年をとるにつれてだんだんその細胞が弱ってきて、細胞が死んでしまうという現象が起こります。それを網膜黄斑部変性症といいます。それはさっきの病気と同じく、世界的に治療法が見つかっていません。

しかし、さっき申し上げましたように、漢方のしっかりした診断をして、そこで決めた処方が正しければ、さっきの網膜色素変性症と同じようによく効きます。網膜色素変性症の方はかなり治る場合があります。網膜色素変性症は漢方では進行が止まるばかりではなく、治る場合がまれというよりは、もう少しあります。私が治った張本人ですから、分かります。

私の場合は一昨年の9月でしたか、朝起きたら右の目に十円玉くらいの黒い斑点が見えて、目を動かしても閉じようにその斑点もついてくる。つまり黄斑部の方にそれがあったということです。私は眼科医でもありますので、早く治そうと言うわけで、いろいろやり始めました。眼科的な薬はあっても何も効かないのですから飲む必要はないけれども、点眼はしました。

しかし効きませんでした。それから漢方的な診断を自分でやりまして、「これで合っている」という処方で、飲み始めました。そうしたらなんとなく上の3分の1くらいが明るくなってきたかなという感じがしました。しかし3週間くらいでそれ以上は良くなりませんでした。

私の大まかな見当は、発病してから半年以内に治さなければ、症状は固定してしまって一生続くようになるであろうという推定です。ですから早くなんとかしなければいけません。

そこで「キチン・キトサンがあった」というわけで飲み始めました。これが発病してから3ヶ月目ぐらいでした。1日9粒を3回に分けて飲みました。少し良くなってきて、上の3分のlが非常に明るくなってきたので「ああこれは治る可能性が出てきたぞ」と思っていました。

漢方よりキトサンのほうが役に立った

その頃は半年を過ぎていましたが、その後いくら飲んでもそれ以上には良くなりませんでした。ここで固定してしまうと大変ですので「困ったな」と思い尿療法を始めてみました。おしっこを飲むというのは「えー」と思う方もいらっしゃると思いますが、これはかなり前から知られている事実でありまして、おしっこは非常に高貴薬なのです。

ただの高貴薬ですからこんなに安いものはないのです。尿を飲み始めて1週間目の朝起きましたら、パッとどこにも何もなかったのです。ついにそれ以来治ってしまったのです。たった1週間でした。

ですから治ったのは漢方の薬、キチン・キトサン、そして尿療法の総合でした。やれやれと思って安心して仕事をしていましたが、やはり心配でした。今年の2月9日の昼、勉強のために山小屋に入っていたら、正午ころにアッと思ったのです。

まるでガラス板に墨汁をパーっとたらしたように横に広がって暗くなってきて、まもなく真っ暗になりました。しかしその夕方になったらいくらか透けてきました。「こいつはいけない。早くなんとかせねば。ひょっとするとすべて見えなくなるかもしれない」と思い、大急ぎで帰りました。

その時はキチン・キトサンを小屋に持って行っていませんでした。仕方がないので、漢方はいろいろありましたからそれを少し飲みました。だけどあまり変わりませんでした。

家に帰ってから早々キチン・キトサンを3粒ずつ1日3回飲みました。そうしたら3日目くらいから少し明るくなってきて、日が経つにつれてさらに全体的に明るくなってきて、斑がなくなりました。

少し薄い雲が横になびいているかなという感じになりました。「しめしめこれはキチン・キトサンで治るぞ」と思ったのですが、それからまたあまり変化がなくなってきました。尿は去年の5月1日から飲み続けていましたから、これをさらに多く飲むことはしませんでした。キチン・キトサンの量を増やしました。

そうするとまた少し良くなりました。というわけで現在に至っているわけです。普段は4粒ずつ1日3回で12粒飲んでいます。殊に最近になって良くなってきて、今は9割方良くなっています。当時視力は0.2~0.3に下がりましたが、今は1.2~1.5です。

ですからもうほほ完全に近いという治り方をしています。キチン・キトサンは私の目には非常に良い効果を発揮してくれました。

緑内障は非常に難しい病気

老人性網膜黄斑部変性症が時には大変な試行があるわけです。

さっきの鹿児島の女性のようなことが起こったのです。患者さんにも随分キチン・キトサンをお出しして飲んで頂いています。たいていの方は漢方で良くなるのですが、それでも最後の仕上げがゴール手前で止まってしまう例が時々あります。

そういう人達にキチン・キトサンをあげますと良くなります。顔面神経麻療の例があります。どこかの会社の重役の人でした。神経は両側に分かれていますが、左側が麻揮して目がまばたきできない、口が閉じないので汁物はこぼれるし、夜は寝ても目が閉じないので、朝、目がおかしくなってしまうとのことでした。

漢方的な診断によって1ヶ月半くらい治療をしまして、7分通り治りました。しかし「半分動かなくてみっともないので、先生早く治して下さい」と言われたものですから、「では思い切っておしっこを飲んでみなさい」と言いました。

飲み始めて4日目に奥さんと一緒に来て、「先生、この通り治った」と大騒ぎで嬉しそうに飛び回っていました。これもキチン・キトサンも併用して途中で良く効いた例です。

数日後、その奥さんがあとから教えてくれたのですが、「先生、あれ(キチン・キトサン)は変な効き方をしましたよ」と言うので「何ですか」と聞くと、「娘は局所の陰毛が薄くて嘆いていたのですが、あれを1 週間ばかり飲んだらだんだん良くなってきて2 週間でほとんど普通の状態になったと言うので、一緒にお風呂に入ってみたら、確かにそうだったのです」ということで、キチン・キトサンにはそういう働きもあるそうです。その他まだいくつかの例はありますが、以上をもって終わらせて頂きます。ご清聴ありがとうございました。

質問:千葉のM と申します。キチン・キトサンが緑内障の視野の狭窄を治すというような望みはあるかお聞きしたいのです。

藤平:緑内障は非常に難しい病気です。私の当たった例に対してキチン・キトサンは効いていません。緑内障は何をやっても効かないです。患者さんには「漢方は素晴しい医学ですが、緑内障にはあまり効く例がありません。西洋医学の治療の仕方や諸注意を絶対におろそかにしないで第ーとして使って下さい。他の(漢方の)内服やその他はまあ副として使って下さい」と言ってあらかじめ了解を得ています。

質問:川崎のIと申します。

目に飛蚊症があります。病院の検査をしましたが特に症状はないと言われました。そういった症状にキチン・キトサンは効くのですか。

藤平:わかりません。私も随分患者さんにキチン・キトサンをあげていますが、今のところ飛蚊症とか網膜が薄くなってきて剥離を起こしそうだという事に対して特に顕著に効いた例はないようです。だからなんともはっきり返事は申しあげられません。


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