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キトサンと痛風~キチン・キトサン学術報告

キトサンの作用について、「キチン・キトサン協会誌」よりご紹介いたします。健康維持や栄養補給で、キトサン製品を飲用する際、その有用性については個人差があります。 また重篤な疾患のある方がキトサン製品を補助的に飲用する場合は、医師や医療機関と相談の上、ご使用ください。

キトサンと痛風
キトサンは、プラスの電気を帯びている / キトサンの生理機能は13項目 / 未消化の繊維質摂取で発ガン抑制 / 日本人の食物繊維の摂取は年々低下 / キトサンには制菌、抗菌作用がある / 痛風になる人は、太っている人に多い / 痛風と高脂血症は一緒に起こってくる / キトサン、核酸の消化吸収を防ぎ余分な尿酸を作らせない / キトサンは尿酸自体をくっつける / 尿酸、悪い物質ではないが増え過ぎると炎症を起こす
【 要点 】 食物繊維で尿酸値は下がるが、中でもキチン・キトサンはパフォーマンスが高い。キトサンは尿酸自体を消化管で吸着して排泄する。尿酸は悪い物質ではないが、増え過ぎると結晶になって炎症を起こす。程々にしてくれるのがキチン・キトサンの作用。


城西大学薬学部教授 農学博士
医療栄養学科食品学講座 和田 政裕 氏
キトサンは、プラスの電気を帯びている

痛風は、風が吹いただけでも転げ回る様な痛み、なった人にしか分からない痛みと言われています。腰の辺りが痛くて別の病気かと思っていたら、高尿酸血症でびっくりしたという事も多く見受けます。

今、良い薬が出来て、高尿酸血症は予防が出来ると言われていますが、実際に病院で治療を受けるまで、無症状で推移して行きますので比較的発見が遅れる。

心配な方は予防的な措置を講じるのがこういった病気の大事だと思います。今回ご紹介するのは、キチン・キトサンが高尿酸血症、痛風に非常に良い予防効果を示す、食物繊維だけでも尿酸は下がって来ますが、その中でもパフォーマンスが高い食物繊維としてキチン・キトサンがあるので、今日はそういった話をさせて頂きたいと思います。

キチン・キトサンは、非常に色々な所で使われています。最近では手術糸や人工皮膚等の医療系の物も出て来ました。漬物の抗菌剤にも使われています。キチン・キトサンは、15年くらい前に発売され、流行り廃りの激しい健康食品の中では、非常にロングセラーを続けている特異な健康食品です。

健康食品の面からいっても珍しい例ではないかと思います。栄養の分野における利用では、保健機能食品の中の特定保健用食品という事で許可もされています。

キトサンは、他の食物繊維とは科学的に違う性質を持っています。一般の野菜等に含まれているセルロースは、マイナスに帯電しています。

しかし、キトサンは、プラスの電気を帯びているという事が、効果の発源に効力を出している1つです。プラスの電荷にマイナス物質が結合する特異な存在です。

口から食べた場合、胃の中は酸性ですので溶けてしまう。実は、キトサンは、水にはまったく溶けない繊維ですが、食べた場合のみ胃酸で溶ける。胃酸で溶ける事が非常に重要で、前回お話した糖尿病に対する効果も1回溶けて粘性のあるキトサンが食物に混ざる事で発現する効果です。

キトサンの生理機能は13項目

今回の痛風の予防もその効果が原因の1つになっています。それに先に述べたプラスの電荷にマイナスの物質が結合する。キトサンのこの2つの作用は非常に重要であるとまず述べておきたいと思います。

キトサンの生理機能は、13項目あります。こんなに多く機能を上げられる食物繊維は通常ありません。今、世の中で注目されている特定保健用食品は、難消化性、コレステロール代謝改善作用、腸内環境改善のせいぜい3つです。ただの食物繊維に比べたら3倍以上の効果がある。珍しい所では、身体の中に入った放射性物質を外に出してくれる。

また、血中のリン酸濃度の低下は、腎臓の機能を考えるのに重要な要素で、食塩よりもリンの方が腎臓に悪影響を与えているのではないかと考えられ、それを低下させる効果がある。

ガンの場合、かなり強い放射線を浴びて、身体の細胞が壊れてしまい、下痢を起こしたりする副作用があるが、キトサンをあらかじめ投与しておくと、そういう副作用が軽減される事が発見されまして、治療の保証として使えるのではないか。そのような新しい発見も色々なされています。

キチンの生理機能としては、物理化学的性質の近似性から、キトサンで認められる生理機能については、効力の差はあるものの有する物と考えられます。キチンの方も全く効かないという訳ではない。高分子状態においての問題は、免疫機能の活性化については、オリゴ糖でも活性が認められる。

植物の免疫活性と言われているエリシター活性は、キチンを土壌の中に混ぜて行きますと、病虫害に強い作物が育てられる事がすでに報道されています。

我々は、食物繊維は、血糖値のコントロールに対して非常に良い効果をもたらす事を見い出しています。食物繊維が不足してくる事によって、血糖値が上がりやすい体質になってしまっている。

また、食物繊維を食べない事によって大腸ガンの罹患率が上がって来ている。これは大きな問題になっていまして、第6次栄養摂取量で、食物繊維の目標摂取量が決められました。目標摂取量は食物繊維の20~25gが好ましいのですが、実は、それ程摂取していないのが現状でその事が問題になって来ました。

未消化の繊維質摂取で発ガン抑制

食物繊維は科学的には何かと言うと、食物繊維は物質のように捕らえている方が多いのですが、食物繊維は物質ではなく概念、考え方です。

それでは20~25gとは何を想定しているのかと言いますと、セルロース、ヘミセルロースなどの物を想定しているのです。キチンやキトサンは1~2gくらいで、これらと同等のパフォーマンスを持っているような食物繊維です。

そうするとキチンやキトサンをどう摂れば良いのか。基本的には、キチンやキトサンを一般の食品から摂る、カニ、エビの殻を食べる、キノコを食べる事でしょうが、十分な効果を考えるのならば、そういう一般の食品では無く、高いパフォーマンスを持っているサプリメントとして摂取しないと意味がないのではないか。健康食品として摂った方が、キチンやキトサンの場合は、効果が上がって行くだろうという事です。

食物繊維として初めて認識されたのは、30年くらい前になると言われています。パーキットという英国の研究者が「繊維仮説」を提唱しました。

繊維仮説は、「高度に精製された食品の摂取では、便容積の低下と消化管通過時間の延長を招き、腸粘膜と腐敗物質の接触時間が長くなる為、発ガンの危険性が増加する。未精製の食品は、未消化の繊維質摂取が増加し、発ガンの機会は抑制される」。

つまり、未精製の食品を食べれば消化出来ないような栄養素でない物が入っているので、むしろ、ガンの予防になるというのが、パーキットの繊維仮説です。

ここで繊維質成分が出て来るのですが、" ダイエタリーファイバー"と名づけられました。実は、これは繊維仮説から導き出された概念であって、食物繊維という特定された物質がある訳ではない。食物繊維というカテゴリーに比定される物質群があるという事です。ここの所を間違えないようにしないと、現代の栄養学は大混乱になります。

現在は25gと総まとめで言っていますので、個々のキャラクターを見ている訳ではない。キャラクターによっては大分違っていて、例えばセルロースとグルコマンナンでは、全然作用が違います。

一概に同じ物質として食物繊維と言ってしまうのは、本当の意味ではナンセンスです。個々の物に対して、どういう身体の指標を使って評価をし直すかというのが、我々の課題ともなってきます。

日本人の食物繊維の摂取は年々低下

栄養所要量での食物繊維は、セルロース、ヘミセルロースが中心で策定されています。こういった物が食べる原点になっていて、20~25g大量の量を食べなければいけない。健康な人は、1日の献立の中で、20~25gちゃんと食べられるかもしれない。

ところが、ヒ卜は色々な食べ方をします。また、色々と事情があったり、病気で食べられなかったりします。そういった時に、20~25g食べられない事の方が多い訳です。高齢化社会になって、実は、ご老人には、食物繊維は食べにくいと言っている方も多い。

どうやって食べれば良いか考えないで、「食事から摂りなさい」と栄養士は言う。サプリメントもある程度考えに入れてやって頂かないと達成出来ないのではないか。

個人の状態によって、キトサンが良い、ごぼうが良い、フスマが良い等、その方のニーズによって変えるのがユーザ一本来の健康食品のあり方だと言えます。それには情報をしっかり与える事も必要です。

現代の日本人の食物繊維の摂取は年々低下しています。現在日本人の平均摂取量は、16~13g程度と言われています。目標の摂取量の半分に近い状態で、そのままの摂取状態を続けると、今以上に大腸ガンで亡くなる方が増えてくる。

食物繊維摂取量低下の原因は何かと言いますと、米を食べないからです。米は、食物繊維含有量は少ないが、沢山食べるので寄与率が高い。緑黄色野菜は結構増えているが、野菜全体としては、色のついていない野菜、ごぼう等の根菜類を食べなくなってきている。

起因としては、メニューの欧米化による食物繊維絶対量の低下が挙げられます。米を食べる、さらに言えば、白米は精製された穀物なので、押麦や漬物だとかを一緒に食べる事によって、食物繊維が飛躍的に上がって来る。従って、食べ方を我々個人が選択していかなければいけないと思います。

キトサンの有用性を食物繊維の観点で見た時に、特徴的な点は何かと言うと、生体機能を沢山持っており、高機能の為少ない摂取量で効果が現れるという点です。

セルロースを中心とする繊維は1日25g必要ですが、キトサンの推奨摂取量は1日1~2g程度。このくらいの量だと、皆さんが食べているキトサン健康食品量の1日の摂取量に該当すると思います。

キトサンには制菌、抗菌作用がある

キトサンの化学構造上の有用性は、表面積は大きく、保水性、水を良く付ける効果があります。キトサンは便秘や下痢にも効き、固い糞は柔らかく、柔らかい糞は固くさせる調節作用があります。

また、親油性、油を良く馴染ませる効果があり、油を分散させる力がある。それによって脂肪の吸収を抑制する。基本的には、キトサンを摂取するタイミングは、食事の前と後では、脂肪吸収に関しては効果は同じです。

グルコサミン由来の陽電荷に、様々な酸性物質が吸着します。胆汁酸を結合すれば、コレステロールの低下。尿酸が結合すれば、尿酸値の低下。体内では食べた核酸が尿酸に代わりますので、これを吸着すると尿酸低下作用が表われます。

塩素やダイオキシンの排泄。キトサンには制菌、抗菌作用があるのですが、キトサンが近づくと腐敗菌は活動が低下して来る。免疫活性を上げ過ぎるとアレルギーになってしまうのを、キトサンは高分子ですので程良い効果となる。

さて、高尿酸血症とキチン・キトサンについてのお話に移って行きたいと思います。尿酸の元になるプリン体は、食物の中では核酸、ATPとして含まれています。

身体の中で合成されますので、外から摂る必要は基本的にはない。摂取した場合の健康効果はあるのですが、普通の栄養状態だけで考えると摂る必要はない。人間はプリン体の代謝が動物とは違います。

人間、霊長類の場合は痛風になるが、ラットやマウスはなりません。なぜかと言うと、霊長類ではプリン体の最終産物は尿酸です。他のほ乳類は、ウリカーゼという酵素があり、尿酸をアラントインという水に溶けやすい物質にして排泄するので、人間のように痛風は起きない。

我々は、ウリカーゼ酵素の遺伝子を持っていないので、水に溶けにくい尿酸として排池せざるを得ない。この水に溶けにくい尿酸が結晶となって痛風の原因になります。

痛風になる人は太っている人に多い

高尿酸はどうやって起きるのかと言いますと、原発性のものは、遺伝子の欠損で先天的に起きてしまう場合があります。もう1つは続発性と言われていますが、環境要因によっても出てくる。

1つは尿酸産生の過剰、尿酸を沢山作ってしまう状態に身体がなって行く。もう1つは尿酸が上手く排泄出来なくて、血液の中に尿酸が溜まる。

この2種類が痛風の病因としては分かれます。作る方が多いのか、出す方が上手く行かないのか。どちらが多いかと言いますと、同じくらいだと言われています。

作る方が多いのは、食事由来の場合と、何らかの理由により、身体の組織が壊れて、核酸が壊れて来る場合があります。食事で尿酸値が増加するのは、特に食事性核酸の過剰摂取やアルコールの過剰摂取が挙げられます。

アルコールは、それを分解する為にATPの消費が高くなり、尿酸が産出されるからです。もう1つは、腎臓での尿酸排泄に、アルコールから作られる乳酸が阻害して、血中に溜まって来てしまう。尿酸による影響と腎臓機能によって起きる場合とが痛風にはある。

痛風の発作としては、非常に痛い事が挙げられますが、結石が出来たり、関節が痛かったりします。関節が壊れたりするのは、尿酸が水に溶けないからです。この結晶を処理する為に我々の体は免疫の力を使います。

すなわち、結晶はウイルスや菌と同様に認識されて、マクロファージのような免疫細胞に食べられる。アレルギーの機構と全く同様な感じで、免疫細胞の活性が起きて症状が起きる。

尿酸を作らせないようにする訳には行きませんので、食事をコントロールしたり、排泄をどうにかする事によって、痛風を予防しなければなりません。痛風になる人は、太っている人に多いので、肥満だと痛風の可能性があり、予防する事が必要です。

痛風になると、足が真っ赤に腫れ上がって、少しでも風が吹くだけで痛い。尿酸結晶が骨の関節に付くのですが、レントゲンに写らなくて黒く抜けてしまう。

骨が溶けているのではなく、尿酸の結晶がくっ付いているのでギザギザに見える。痛風になると体内の尿酸プールが増えます。ある日突然痛くなった時には、ある程度尿酸プールは高くなり、気づいた時には、高尿酸血症は相当な程度まで進んでいるのです。その直前まではまったくの無症状です。

痛風と高脂血症は一緒に起こってくる

痛風は、色々な合併症がありまして、非常に身体に悪い。尿酸プールをいかに増大させないかが、1つの食理学的な対応になります。尿酸は、腎臓で全部漉されて、細尿管に入って再吸収されます。いらないものを外へ分泌してまた再吸収します。

なぜ出したり入れたりするのかと言いますと、尿酸は、水に溶けない為に一度に出ると結石になってしまうのです。人間の体は上手く出来ていて、行ったり来たりの中で、結石が出来ない程度に排泄量を調節する機能がある。乱れて来ると、血液の中に沢山入って結晶が出来たり、尿管の結石になったりする。

痛風は肥満の人に多いので、太って来たと思ったら痛風を疑って、検査に行って尿酸値を計るといった手だてを取った方が良いかもしれません。

痛風の人は、健常者に比べると、中性脂肪やコレステロールが高いといった高脂血症状態になっている。痛風と高脂血症は一緒に起こってくる。肥満の人はこういった事も忘れずに注意して頂きたいと思います。

どんな食物繊維が痛風を予防してくれるかという実験を示します。ラットは、尿酸をアラントインに代謝してしまうので、通常は痛風は出ません。

食べ物の中に核酸を山のように入れまして、実験的に高尿酸状態にしました。測定は、尿酸とアラントインの両方計って、プリン代謝産物量としてその濃度を検証しました。血液の中に入った物と、尿の方へ出た物と、糞の方へ行った物を測定しました。

色々な食物繊維を使い実験すると、血液の尿酸値は、何も繊維を食べていない時よりも、繊維を食べた時の方が下がります。一方、食物繊維間で比較すると機能の差が出て来まして、セルロースに比較するとキチンやキトサンでは半分くらいに下がります。

尿へ排泄されるプリン体もキチンやキトサンで下がる事が分かりました。下がった理由は何かという事ですが、糞の中の核酸を測定すると、食物繊維が無い場合は核酸量は低く、食物繊維がある時は多い事が分かります。

キトサン、核酸の消化吸収を防ぎ余分な尿酸を作らせない

すなわち、無繊維の場合は核酸が吸収され易く、食物繊維がある時は吸収されにくいという結果が出て来ました。つまり、食事中の核酸が吸収されない事により血中の尿酸値が下がり、尿中のプリン体も低下したという事です。特にキトサンは核酸の消化吸収をある程度に防ぐ事により、余分な尿酸を作らせないようにしているという事が見えて来た訳です。

セルロースとキチン、キトサンをピックアップして20日間の食べさせる実験を行いました。長期間食物繊維を食べさせた結果でも、血中尿酸は無繊維に比べるとセルロースは低い。さらにキチンやキトサンを長く食べさせた場合、尿中のプリン体の濃度も有意に下がる。

これは尿酸の元になる余分な核酸が吸収されていないという事で、尿管結石などの予防にも繋がって行く事にもなる。尿中総プリン代謝産物は、無繊維と比べると繊維食で低下して、キチン・キトサンではさらに低下する。

無繊維では、核酸はほとんど消化されて吸収されてしまう。それに対して、セルロースは、少し吸収が阻害されます。キチンは食べ続けるにつれて、効果が比較的上がるような傾向があり、糞中への核酸排泄量も増えて来る。

キトサンは、早いうちから排泄量が高まって来ます。キチンに比べるとキトサンの方が即効性があるという事で、糞中への核酸排泄が行われる事によって、血中尿酸濃度が下がって行く。

実は、それだけでは収支が合わない。つまり、吸収された核酸から作られる以上の尿酸が体内から排泄されているのではないかと考えた訳です。

この研究の後にリンの排泄の研究をやり始めたのですが、キトサンを摂取すると、高分子物質の摂取にも関わらず、腎臓のろ過機能が向上するデータが出ている。

何でそうなるかは分かりませんが、高分子のキトサンでなるので、それが消化器内で低分子化されたものが効いているのか、神経機能が関与しているのか、色々な可能性が考えられます。

キトサンは尿酸自体をくっつける

試験管の中の実験で調べてみると、キトサンは、核酸系の化合物を良くくっ付けます。セルロースは余り核酸をくっ付けません。キチンは、高分子核酸のヌクレオチドを吸着しますが尿酸はくっ付けません。

ところが、キトサンは核酸化合物全体を良く吸着すると同時に、尿酸を良くくっ付ける、キトサンは尿酸自体をくっ付ける。研究をやって分かって来た事は、尿酸は、コレステロールのような腸管循環のような事が行われているようで、消化管排泄尿酸量は高い、それの再吸収を阻害しているようだ。

キトサンが尿酸再吸収を止めているのではないかという事です。キトサンには、尿酸を選択的にくっつける効果がある。腸管循環、膵液には尿酸が多いが、それがまた腸からの吸収を止めているようで、これも尿酸値の低下効果の1つではないかと思います。

胃の中で、核酸がかなりからめ取られている。pHを下げて行くと非常に良く吸着する。逆にpHが7や8になると吸着率が弱くなって行く。

あらかじめキトサンやキチンに核酸を付けておいて、核酸の消化酵素を作用させ、消化されて来るかどうかの実験を行いました。RNAにリボヌクレアーゼという酵素を作用させると分解します。

RNAを吸着したキチンを使いますと、その分解カの働きが少し抑えられます。キトサンだと強く抑えられRNAが消化しずらい状況が生まれる。

食事性核酸をからめとった後は、消化されずらくする。ある意味では吸収阻害になりますが、全く消化されないという事ではなく、ある程度消化されますから、吸収をゆっくりさせる効果、すなわち高分子核酸の徐放性による免疫力増加効果にも応用しでも良いのではないかと思います。

尿酸、悪い物質ではないが増え過ぎると炎症を起こす

一方、ヌクレオチドに対する効果は顕著でした。未吸着の物は分解されますが、キチンやキトサンに結合したヌクレオチドは全く消化されない。イオン結合のような結合でくっついてしまって、消化酵素は作用しずらいのかと思います。

ラットの小腸粘膜を剥がして、グチャグチャにした小腸ホモジネートを使って実験を行ってみると、何もしないでホモジネー卜を加えると分解が起きて来ますが、キチンやキトサンがくっ付いていますと、全く消化されない。

この結果からキトサンは消化出来なくする事によって吸収を妨げる。尿酸自体を消化管で吸着して排泄してくれる。両方の効果が相まって、痛風の予防や治療に効果があるという事になります。

メカニズム的な事をまとめると次のようになります。キトサンは胃で溶け、核酸がかなり引っつく。下部消化管ではアルカリ性に変わり、一部の核酸は離れますが、大部分くっついている。

一部離れている物が身体に利用され、くっついている物は利用されない。小腸に行って、一部消化酵素が働かない部分もあり、消化されないものは、そのまま出て来る。そのようにしてキトサンは、核酸、尿酸自体を吸着して、血液中の尿酸濃度を下げている。

基本的には、身体の中で尿酸は作られていますので、食事から摂る分をカットする事で効果は出て来ます。尿酸は存在意義がある物質ですが、増え過ぎると困り、無いと困る物質で、ビタミンCと共に身体の抗酸化繊維尿酸に働いています。

尿酸は悪い物質ではないが、増え過ぎると水に溶けなくなって、結晶になって炎症を起こす。程々にしてくれるのがキチン・キトサンの作用ではないかと私は思っています。


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